◆日本占領物語る建築物、解体の危機
佐敦のネーザンロード190号(ネーザンロードとオースチンロードの交差点)にある三級歴史建築物が取り壊しの危機に直面しています。

こうしたなか、民間団体が当局に対し一級歴史建築への評価変更を求めています。
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△頭條日報
建物は2018年に三級歴史建築物に指定されました。

民間の建築士、歴史専門家、学者らが作った「文物価値評価報告」では、この建物は日本占領時代の歴史と関連があるため、評価を一級歴史建築に変更することを要求しています。
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△頭條日報
建物のオーナーは米国でレストランを経営する華僑の陳有仁氏とその妻の劉松娣氏で、1932年に来港して土地を購入して建物を建てました。

建物は4階建てで1937年に完成。

欧風アパートの長廊式建築で、設計は装飾芸術と新古典主義の影響を受けています。

完成後は1階に永青餐室(カフェ・エバーグリーン)がオープンし、香港でも古い庶民向け西洋レストランとなり、日本占領時代にレストランは強制接収されて日本の軍人の食堂となりました。

陳氏ら家族は引き続き階上に居住し、息子の陳耀芳氏は毎日屋上から向かいの日本軍大本営の状況を盗撮して米国に送っていました。

この行動が密告されて劉松娣氏と陳耀芳氏は日本軍の拷問にかけられ、最終的に陳氏は広華医院で死亡。

遺体は日本軍によって集団墓地に送られました。
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△頭條日報
1970年代からは著名財界人で故人の馬錦燦氏とその家族が所有。

昨年半ばに取り壊し計画が認可を受けたことから注目を浴びることとなりました。
参照:5日付頭條日報
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