2日付「東方日報」より
行政長官選挙、3人が正式候補に、葉劉淑儀は脱落
行政長官選挙の立候補届け出が3月1日に締め切られ、いよいよ3月26日の選挙に向けて香港各地でディベートなどが行われます。
選挙主任の裁定を経て曽俊華(ジョン・ツァン)氏、胡国興氏、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏の3人が正式な候補者となりました。
3人は推薦票の不備修正や追加を行ったことにより有効推薦票は曽氏が165票、胡氏が180票、林鄭氏が580票に。
一方、葉劉淑儀(レジーナ・イップ)は氏150票を集めることができなかったため、今月1日に記者会見を開き77日間に及ぶ選挙活動の終わりを告げました。前回の選挙でも推薦票が足りず最終候補に残れませんでした。
同氏は「親政府派の候補が4人出馬するには1200票じゃ足りない」と選挙制度の問題を指摘しています。
実のところ、まだ誰も推薦していな選挙委員は200人以上いるようですが、葉劉氏によると、林鄭氏を支持しているとのこと。自身を推薦していた委員のうち、4人が土壇場になって林鄭氏の推薦に回ったことも明らかに。
健康状況と関心によっては5年後に再挑戦することも示唆しているものの、行政会議メンバーや高官として次期政権にかかわることはないと表明しています。
2日付「東方日報」より
中央が任命しなければ10月に再選挙
特区政府政制及内地事務局の譚志源・局長は今月1日、立法会で行政長官の任命をめぐる問題について「行政長官は基本法に基づき中央政府に責任を負うため、中央が実質的な任命を行う」と強調し、2014年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の決定にも「中央政府の任命権は実質的なもの」と明記されていることを挙げました。
つまり選挙で当選しても、行政長官になれない場合があるということです。
こうした発言は過去の選挙ではなく、大変珍しいことです。
仮に選挙で当選した候補が各種原因で任命を得られず7月1日に就任できない場合、行政長官のポストは空席とし、120日後の最初の日曜に当たる10月29日に再選挙を行うこととなり、空席の間は政務長官が代行します。
また投票日の3月26日は午前の投票で601票以上 を獲得する候補がいなければ、午後に上位2人に絞って2回目の投票を行います。
なおも601票以上を獲得する候補がいなければ、42日後に当たる5月7日に第1次再選挙を実施。
その際には新たな候補も推薦票を集めれば出馬できる。再び当選者がいなければ6月18日に第2次再選挙、なおも当選者がいなければ7月1日から行政長官ポストは空席とし、7月30日に第3次再選挙を行う。なおも当選者がいなければ同じプロセスを繰り返す、というものです。
こうしたことが取り沙汰されるのは、前回の選挙でも懸念されたように民主派の選挙委員らが白票を投じる運動を起こして選挙が成り立たないようにする可能性があるため。
林鄭氏は、ある内輪の会合で「行政長官の当選者が任命を得られなければ、立憲政治の危機に陥る」ことから自身の立候補を決意したと述べたと言われています。
誰が当選した場合に任命されない可能性があるかは明らかにされていませんが、政界では「中央の任命拒否」にも戦々恐々です。