香港の経営大学院（香港大学、香港科技大学、香港中文大学）に通う現役大学院生によって構成される、香港MBA学生会主催の「香港MBAフォーラム2016」が今月6日に開催されました。
4回目を迎える今回のフォーラムには、MBO, LBOからマイノリティ投資、財務コンサルティングなどの多岐にわたる事業展開をするインテグラル株式会社 代表取締役 佐山展生さんと、400ｍハードルで3度五輪出場を経験をもち、05年の世界陸上400ｍハードル銅メダリストの、株式会社 侍 代表為末大さんが登壇。学生が多く参加した会場で、「日本人が世界を舞台に戦うために」をテーマに対談されました。
実は30歳までは何も考えずにいました、と会場を沸かせた佐山さん。「満足しているうちは何も変わらない。皆と同じことをしても差がつかない。失敗したらどうしよう、ではなく、失敗して当然と思える、恐れない【有言不実行】であってほしい」とご自身の体験を元にお話をされました。
為末さんは、400m競技を始めた18歳の頃の”自身の思い”について話をしました。ひたすら「走る世界」に浸かっていったなかで、どうしたら勝てるか、記録を伸ばせるか。今の自分を超えたいという気持ちから、人（指導者）に頼るだけでなく、何かを変えていかなくていけないと、とことん自身と向き合うことで、その先が見えたのだそう。
一方で、スポーツ選手が必ず壁に当たる問題として『引退後にどう生きていくか』ということを挙げ、引退後、社会に出る厳しさを感じ疎外感を感じる人は、多いという話をされました。
「多くの素晴らしい可能性を持っている元選手たちが、その後をどう活かせるか。規制の多い日本では新しいものが生み出せない社会がつくられている。こうした仕組みを底から変えていく必要があるのではないか」という持論を展開するなど、90分にわたって対談が繰り広げられました。
後半のパネルディスカッションには、香港で活躍されるNippon Wealth Limited, a Restricted License Bank 取締役兼 COO 長谷川 建一 さん、YCP Holdings Limited グループCEO 石田 裕樹 さん、Uzabase Hong Kong Limited 代表取締役 岩澤 脩 さんが加わり、「日本人が世界で活躍するためには何が必要なのか」を、実際のビジネスに関する立場としてそれぞれ話をされました。
佐山さんは昨年、スカイマーク（株）代表にも就任したばかり。厳しい競争が続く航空会社業界でいかに生き残れるか。為末さんは、株式会社侍の代表として、スポーツと社会の繋がり、アジアでのスポーツ界産業の今後の活性化などといった今後の課題などにも触れましたが、お二人がともに口にしていたのが「気づきの早さ」「機敏な行動力」、そして「勇気」。
今回会場には100名近い学生、社会人が来場。例年より早く参加者が集ったほどで、予定の終了時間がまわっても熱心に会場からの質問が絶えないほど熱いフォーラムとなりました。
