2月28日に行われた立法会補欠選挙。
立法会議員に欠員が出た場合行われるもので、今回は公民党を離党した湯家●氏(馬ヘんに華)の辞職を受けたもので、2010年以来、6年ぶりでした。
立候補したのは、公民党の楊岳橋氏、民主建協進連盟(民建連)の周浩鼎氏、新思維の黄成智氏、本土民主前線の梁天●(王ヘんに奇)、無所属の方国●(王へんに冊)、劉志成氏、梁思豪氏の7名。
なかでも注目されたのは「本土民主前線」という過激な民主派団体。
記憶に新しい、旧正月2月8日~9日に起こった旺角暴動を主導した団体です。以前のブログにも書いているように、この団体は立法会補欠選挙での支持率を少しでも上げるために暴動を起こしたと言われています。
今、香港の若い世代を中心に過激派を支持する人が増えており、暴動を起こすことで支持率を高められると狙ったもの。
過激派支持の理由は明確には分かっていませんが、経済問題や住宅問題への不満の矛先が中国本土からの旅行者や移住者に向けられ、本土との融合を推進する現政権や中央政府への反発を政治的に煽っているためといえるかもしれません。
今回の補欠選挙は、およそ43万4000人が投票、投票率は46.1%。4年前の立法会改選の投票率53.86%を下回りました
当選したのは、投票率37.2%、およそ16万票獲得した公民党の楊氏。新界東は民主派の票田であるため、公民党に有利とみられていましたが、予想通りの結果になりました。
2位となった、主要対立候補であった民主建港協進連盟(民建連)の周氏は34.8%、投票獲得数はおよそ15万票でした。
楊氏は即日から立法会選挙が行われる今年9月まで議員を務めます。
今回の立法会補欠選で大きく注目されたのは、過激な民主派団体「本土民主前線」が3位を獲得していることでした。
全体の15%、およそ6万6000票の得票を得ました。
投票した60代の女性は取材に対し「既存の勢力には期待できない。このままでは香港は変わらないので、希望の思いで投票した」と話しました。
新政府派と主流民主派が二分する現在の政治状況に不満を持つ人たちが第3勢力の台頭を求めしかも過激な手段も厭わない大きな変革を求めた表れなのでしょうか。
今回の選挙結果は、民主派の主導権も徐々に過激派に移り、主流民主派は影響力をなくすか、あるいは彼らに合わせて過激路線を進むかが考えられます。つまり、政治的には1国2制度の今後が懸念されることを示します。
4年に一度行われる立法会選挙は、今年9月に行われます。