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地元紙アップルデイリー「狂気の輩が焼身自殺 4人が危篤 14人負傷」(※事件直後の情報)    

今月10日にMTR車内で発生した前代未聞の放火事件。
事件は、金曜日の午後7時すぎ、ラッシュアワー時に起きました。金鐘~尖沙咀間にある海底トンネルを通過中に事件が発生。容疑者は突然、服に忍ばせていた液体の入った瓶を自分にかけ発火し、周りにいた乗客にも瞬く間に火が移り火傷などの重傷を負った人が多数。警察は一時反テロ部隊を突入させるなど騒然とし、尖沙咀~
荃全駅行きは全線ストップするなど大きな事件に発展しました。

15日現在の負傷者は19人のうち8人が入院中、そのうち2人が危篤、3人が重体、3人が容体安定。
危篤状態の2人は、現在もマリー医院やエリザベス医院などのICU(集中治療室)で治療を受けています。そのうちの1人で犯行に及んだ張錦輝・容疑者(60)は、回復を待たずにすでに起訴されており、裁判も被告不在のまま13日から開始しています。
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東方日報「車内は煉獄状態、18人が負傷」

車内で焼身自殺しようとして放火した張容疑者は、10年前に統合失調症を発症。現在の結婚は2度目で、家族に暴力をたびたび振るっていたこともあり精神科に通院していたが、15年12月の診察を最後に姿を見せず、病院側からの連絡も断っていたとのこと。
妻とはけんかが絶えず、離婚の話も出ていた矢先に起こした犯行でした。

特区政府運輸及房屋局の張炳良・局長は11日に事件現場を視察。
記者団に対し「防火設備や監視体制などを点検し、改良や強化が必要な点はないか再確認する。調査委員会を設置しひと月以内には調査結果を出したい」とコメントしています。さらに今回の事件を受けて張建宗・政務長官は、被害者や家族に対し、香港政府は全力で協力すると発言しています。

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香港鉄路公司(MTRC)は、13日、今回の事件を受けておよそ200万香港ドル(日本円3000万円相当)を被害者と家族らへ寄付することを発表しました。
依然として危篤状態が続いている台湾から観光にきていた女性は、火傷が広範囲にわたっていることで皮膚移植を検討しています。
重傷を負った15歳の女性にも同情や励ましの声が上がっており、市民の間では事件に対する怒りが収まりません。