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12月1日、香港日本人倶楽部にて、「福島県産品安全発信セミナー」と「美味福島・試食会」が開催されました。
2011年3月11日に起きた東日本大地震からまもなく5年になろうとしていますが、香港では未だに「風評」が残っているのが現状。少しでも福島の発展と、理解を深めるための会となりました。
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環境省 福島環境再生事務所 除染情報プラザ顧問であり、放射能専門家の青木仁さん(写真)によるセミナーが開かれ、福島第一原発と放射能からみた「今の福島の現状」について報告されました。

事故後、福島県内55カ所の土壌の調査の結果、STRONTIUM(ストロンチウム:放射性同位体の一つ、放射性降下物に含まれる)の1地点を除いて、土壌中のPORTONIUM、TRONTIUM濃度は全て、事故前の10年間の福島県内最大値以下であること。これを越えた1地点についても過去に記録された全国最大値の半分ほどの濃度になっているとのこと、農作物のCESIUMの取り込み抑制対策が効果を上げていることなども述べられました。
また子供たちの甲状腺検査についても触れ、事故当時18歳以下だった37万人と事故後1年間に生まれた1.5万人の甲状腺の詳細な検査と診断を継続的に行う体制をとっており、1巡目の検診により受診者約30万人の診断が確定、98人が甲状腺癌と診断されているものの、予後は良好であること。
福島医大鈴木真一教授の病巣の遺伝子解析の結果、福島の子供たちの甲状腺癌の遺伝子変異が通常の癌と同じBRAFタイプであったことから、事故後の影響は考えにくい見解だと話されました。
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セミナー後お話を伺いました。
今回海外でのこうしたセミナーが初めてだったという青木さんは
「福島に住んでいると福島がどれほど発展を遂げているかがよく分かる。今徐々に県外から来られる人が増加し一つハードルが解消されたという手ごたえは感じている。これまで海外から来られた専門家に話をすることは多かったが、今後は今回のように自ら外に出て話をしていきたいと思っている。特に香港は親日家も多く、日本食も好まれる場所。少しでも早く輸出禁止が緩和されるためにも、これからも地道に安心安全を訴えていきたい」と話されました。
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講演会後は福島の日本酒・加工食品などを使用した試食PR会が行われ、福島の美味しい食材が振る舞われました。
香港では日本酒人気が上昇中!フードエキスポにも出展し、今回も参加された奥の松酒酒造会社海外事業部・津島健 部長は「香港での日本酒市場がさらに拡大していくのを確信している。風評被害を乗り越えて、福島の日本酒の美味しさが広がっていくように、<安心して飲める福島の日本酒>を発信していく」と力強く話されました。


今年8月に林農林水産相が香港を訪問され、輸入規制の緩和を要望したものの、香港政府は未だ難色を示しています。現在、福島県をふくめた5県(茨城・群馬・栃木・千葉)の一部食品が香港への輸出禁止となってます。